昨日開催されました、大阪管区気象台主催の地球温暖化講演会
『いまを知って、行動しよう!』に参加してきました。
会場は、大阪国際交流センターの小ホール。
地下鉄谷町線の四天王寺前夕陽丘と谷町九丁目の
丁度真ん中辺りに位置するので、駅からは結構歩きます。
エントランスを入ると、すぐに世界時計が。
さすがは、国際交流センター。
今回の主催は、大阪管区気象台という、個人的には初めての
主催者でした。なので、参加してみたのですが。
セミナーのプログラムは下記のようなものです。
1.「大阪の気象はどう変わる?〜地球温暖化の現状と見通し〜」
大阪管区気象台技術部気候・調査課長 諸岡浩子氏
2.大気環境の変化による森林への影響
〜日本列島における森林衰退の現状〜
京都大学名誉教授 河野昭一氏
3.「大阪府における地球温暖化対策」
大阪府環境農林水産部みどり・都市環境室地球環境課
事業推進グループ企画統括主査 中井真司氏
4.質疑応答
会場となったホールの収容人数は200名ですが、ほとんど満席に
なるぐらいの大盛況でした。
参加者の年齢層は50代以上の方が9割を占める感じで、ほとんどの
方は、現役を引退された一般の方だったようです。
今回はデジカメを持参するのを忘れてしまったため、ケータイで
撮ったので、画質も悪く、手ぶれもひどく、さらに講演中に撮影
して♪ぴんからこん〜と撮影音が鳴ってしまい、周りに方に
ちょっとご迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。(汗)
では、各テーマで話されていたお話をかいつまんでレポートして
みたいと思います。
【大阪の気象はどう変わる?〜地球温暖化の現状と見通し〜】
非常に丁寧に、地球温暖化の原因や気象との関係を話されていました。
過去30年の平均気温とその年の気温の差を平年差と言うそうですが、
2010年は気温の変動が非常に大きい一年だったそうです。
まず、地球温暖化とはどういうことか、ということですが、まず
太陽光の約69%が大気や地表で吸収される、またそれと同じ量の
赤外線エネルギーが宇宙空間に出て行く、これを防ぐ役割として
温室効果ガスが働き、地球の平均気温を14°Cに保っているんだ
そうです。(温室効果がないと−19°Cになるんだとか。)
しかし、このエネルギー収支のバランスが崩れる(温室効果ガスが
増えすぎる)と、地球温暖化と呼ばれる現象になるんだそうです。
そして、人間の出す二酸化炭素の約半分が空気中に残ったままに
なるので、低酸素社会への移行が望まれる、ということだそうです。
異常気象と地球温暖化の関係についても話されておられましたが
気象の関係から見ると、いわゆる”異常気象”というのはいつの時代
にもあるもので、ある特定の年の異常気象と思われる現象だけを
捉えて地球温暖化との相関を語るのは、かなり危険な発想のようです。
気象庁にも異常気象と思われる現象があると、地球温暖化のせいですか?
と問い合わせが来るそうですが、あくまでも100年ぐらいのスパンの
長期的な観測のもとでないと、地球温暖化の影響かどうかは判断でき
ない、というのが気象学的な見地からの解答のようです。
【大気環境の変化による森林への影響】
世界的に酸性降下物により森が死んでいっている、という話を中心に
実際の世界の森の画像を見せていただき、その原因が大気汚染による
ものだ、というお話をされてました。
非常に興味深かったのは、大気汚染により酸性降下物がスギなどに
付着すると”タンニン”という成分が破壊されるんだそうです。
聞いたことないですか?”タンニン”という成分。
そうです、お茶なんかに含まれる成分ですね。これが失われると
光合成の能力が低下するんだそうです。さらに、このタンニンという
成分、昆虫などからの食害を防ぐ機能を果たしているそうですが
その機能が低下するわけで、昆虫などからの食害も受け、植物が
枯れていく原因にもなるそうです。
あと、雪が降る季節が昔は冬型であったのが、最近は春雪型という
春に近いほうへズレている傾向にあるそうです。こうなると、
表層雪崩が起きやすくなるそうです。雪が降る→日中解ける→
夜凍る→その上に雪が降る...というのを繰り返すというのが
そのメカニズムだそうです。
非常に興味深いお話でした。
長くなってきたので、【その2】へつづく。
2011年02月17日
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