2011年09月15日

微細藻類が作るバイオオイルの潜在能力セミナーに参加してきた。【その2】

110915藻類セミナー2【注目の微細藻類】

最近話題のオイルを生み出す微細藻類について。
新聞や報道で一躍有名になったのは、オーランチオキトリウムという藻類ですが、その前にボトリオコックスという藻類の話から。

この藻類、そこらの湖沼に普通にいるんだそうです。面白いのが、作ったオイルを細胞の外に出す性質を
持っているらしく、つまり、オイルと藻類を分離してやれば普通に使えるオイルが取れる、というわけです。

さらに、このボトリオコックスという藻類しかいない湖沼というのが、世界中にあり、日本にもあるらしいですが、それは秘密だそうです。
ボトリオコックスしかいない湖沼を再現できれば効率よくオイルを抽出できるというわけで、現在研究中なんだそうです。

このボトリオコックスという藻類が光合成だけで炭化水素(石油系オイル)を生産するのに対して、オーランチオキトリウムは、従属栄養性で炭化水素を生産する、という同じ藻類でも生産の仕方が違うらしい。

従属栄養性とは、光合成は行わず、有機物を分解してオイルを生産する、ということだそうで、つまり餌が必要だということらしいです。

あと、ボトリオコックスに対してオーランチオキトリウムは高速増殖することで注目度を集めたようです。

そして、これらはただ培養すればいいというわけではなく、生産効率の優秀な株をみつけだし
それを培養していくことが大量生産へと繋がる、ということだそうです。
スポーツで言うところのトップアスリートを育てていかないといけないわけで、この二種類の
藻類以外にも2軍的な藻類もいっぱいあるんだとか。

異物の入っていない培養地を再現したり、優秀な株を見つけたりと、やはり一筋縄では
いかないわけですね。

ボトリオコックスと他のバイオディーゼル生産とのライフサイクルアセスメント試算も
紹介されていましたが、ナタネから作る場合、500円/L、パーム油 714円/Lに対し
ボトリオコックスは約155円/Lと激安で作れるようです。

【今後の構想】

今までほとんど見向きもされなかっただけに、始まったばかりの研究のような
扱いなのだそうですが、量産体制に入れるまでには、早くても6〜10年はかかる
そうです。

藻類には、その環境によって違う動きをするものもあるようで、それぞれの特徴を
データベース化し、地域地域にあった方法での生産ができるようになればいいなぁ、
というのが現在の構想のようです。つまり、エネルギーの地産地消。
これを藻類バイオマスファーム構想という形で語っておられました。

【藻類バイオマスの可能性】

最後にビジネスへの利用用途として、考えられる分野を3つ紹介して頂きました。

1.燃料利用モデル・・・乗用車、農業用機械、船舶の燃料としての利用

2.エネルギー源モデル・・・発電用燃料、熱源としての利用

3.健康産業モデル・・・化粧品、健康食品としての利用

なかでもやはり、ボトリオコックスやオーランチオキトリウムのような
オイルを生み出す藻類の一番の使い道は、燃料だそうです。

【セミナーを聞いてみて...】

ホットな話題のエネルギーセミナーが近くで聞けたのは、非常にラッキー
でした。講演いただいた、筑波大学大学院生命環境科学研究科 井上教授、
並びに本セミナーを企画・開催頂きました財団法人 堺市産業振興センター
の皆様、本当にありがとうございました。

このオイルを生産する藻類が存在することは、教授が学生の頃から知られて
いたそうで、正直、それが一番衝撃的でした。

日本は何度かオイルショックを経験しているのに、誰もそのときにこの
藻類を使って産油国を目指そうとしなかったのでしょうか?
政治家先生にこれらの話をすると、藻とはなんぞや、というところからの
スタートになるそうです(涙)。最近はメディアで取り上げられてちゃんと
言えるヒトが増えたようですが...

セミナーを聞いてみて、この技術は国家戦略としてやってもらいたいと
思える、魅力的なものでした。機会があればさらに詳しい話を聞いてみたい
です。

余談ですが、教授が参加されてる筑波大学 藻類エネルギープロジェクトは
”チーム300”と言う名前だそうですが、これは5人のメンバーの年齢を
足したら300歳だから、だそうです。(正確には、300歳を超えてるそう
ですが、サバを読んだそうです。汗)

ちなみに、本日のセミナーは、財団法人 堺市産業振興センターの環境ビジネス
研究会のサイトからUstreamの録画映像が観れるそうです。
お時間のあるときに是非、ご覧ください。

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posted by ケイエフ at 18:50| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | セミナーレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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