2014年10月03日

将来的には”木”由来の色んなものが...結晶性ナノファイバーのお話が深い。

cells on scopecells on scope / Pommiebastards


ちょっと難しいけど、面白い話だったので...

JBPressというサイトで『木材で最先端の航空機や自動車を作り出す』という記事があります。

ざっくりですが、どんな内容かと言うと、近年、木材から、その結晶性ナノファイバーを取り出し、材料として使おうという取り組みが世界中で活発化している、木材の結晶性ナノファイバーは構造的にバイオエタノールなどのエネルギーに変換するより、補強繊維とした構造用成形体や透明低熱膨張シートなどにしたほうが適している、あとはコストの問題、という感じの内容をすごく詳しく書かれています。

印象的な部分を一部引用させて頂くと、

・改めて今風に木材の構造を眺めてみると、鋼鉄の5分の1の軽さで鋼鉄の5倍以上の強度を持つ結晶性ナノファイバーからできた3次元多孔性高分子複合材料、という先端素材の匂いがプンプンする素材となる。

・製造過程で二酸化炭素を固定し、廃棄にあたっては地球環境下での分解性をコントロールできる。しかも、その生産に要するエネルギーは、金属やプラスチック、セラミックスと比べ圧倒的に少ない。そのため価格も安い。

・実際、木質バイオマスからエタノールを作ることは、それほど難しくない。最大の課題は、価格に直結する製造コストである。そのハードルは極めて高い。

・また、産業資材として使おうとすると、樹木の時には必要であった吸水性、吸湿性が大きな欠点となる。必然的に化学修飾などによる水酸基のブロックが必要である。そのためのコストは、セルロースナノファイバーの価格競争力に影響し、用途の拡がりを大きく損なう。

・セルロースナノファイバーが、炭素繊維やアラミド繊維といった高機能繊維素材と勝負し、大型産業資材となるかどうかは、1kgあたり10円を切る木材の圧倒的な価格競争力を最終製品にまでどのように維持するかにかかっている。

・この課題の解決は、パルプをセルロースナノファイバーの集合体として捉え、そのまま利用することである。


日本にあっては、近年、材木関係の会社や団体が倒産するニュースが時折見られますが、材木から結晶性ナノファイバーを取り出して産業資材に低コストで活用していくことができれば、間伐材の利用の促進にもなるし、Co2排出の低減にも繋がってよいのではないかと思います。

ときどき、竹で作ったガジェットを見かけたりしますが、今後開発が進めば木材由来の高強度な躯体を持った自動車や飛行機などが出来るかもしれませんね。

記事は5ページぐらいあるので、ご興味のある方はお時間のあるときに読んで見られてはどうでしょ?
なかなか、興味深いですよ。


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posted by ケイエフ at 09:14| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の気になるニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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